織田信長(天下人)の実像

織田信長(天下人)の実像

金子氏

大日本史料十編の編纂の担当で、まさしく信長の時代の史料調査をされてきた著者の待望の信長本。
帯にある「織田信長は本当に全国統一をめざしていたのだろうか。」
この問いには、信長の野望から入っていった歴史ファンには衝撃的な内容ではないか。
もっとも信長が日本統一の夢はなかったように思われると論考された方に福尾猛市郎氏がいる。
羽柴秀吉と兵庫・三田両城(兵庫県の歴史 第10巻 1973)
そこでは濃尾の郷国と京の中間点安土に築城した意図から、信長が固めようとしたのは京都以東であるという趣旨を述べられているが、根拠なしである。
 本著はそれらを資料を提示し、丁寧に説明されている。

著者は今まで信長を扱った論文として
法隆寺東寺・西寺相論と織田信長(東大史料紀要)
大和国宇陀郡の春日社領荘園と北畠氏に関する史料(古文書研究)
織田信長の東大寺正倉院開封と朝廷(国史学)
誠仁親王の立場(織豊期研究)
などなど取り上げてこられた。
もっとも、これら論文は一般に出回るものではなく、馴染み薄いものではあるが、一般書にそれらを反映されたものを書かれたものを見たことがあるが、この本はいわばそれらを踏まえたうえでの論考となろう。

信長といえば桶狭間や、長篠の戦いに代表されるような軍事面での顔が一般的であるかと思われるが、この本はそうではないので一般的に、うけはよくないかもしれないが、是非とも自分が思い描く信長像と、著者が描く信長像と戦いながら読み進めて頂きたい。

また本書には、新出史料を踏まえた論考となっていることを付け加えておきたい。
長く信長は、正親町天皇との確執?していたとか、ないがしろにしていたなど言われているが、本書ではそれらの問題を整理検討されている。
 これらを受けて対立論者がどのような反論が出てくるかも、今後の楽しみではある。
スポンサーサイト
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索